職業柄、建築のはじまりの現場に立つことが多いですが、

再生、また終わりの現場に立ち会うことも増えました。

 

こちらの住宅は、築50年。

更地にしてご売却されることが決まっています。

決まっている中で、大変差し出がましいことだとは思いましたが、

 

ご意向を伺った上で

草木の一部を自宅へ持ち帰らせていただきました。

挿木をして約1ヶ月が経ちました。

 

玄関脇の紫陽花、

南庭の紫陽花、思い出の灯台躑躅、さつき..

無事に根を出しました。

 

建築に携わるものとして、

こんなことしかできず心苦しいですが、

少しでも慰めになるでしょうか。

 

願わくば、

不動産の売買も、更地にすることを当たり前のことにしないで。

次にその場所に住む方に、もう少し判断を委ねる様な売買になっても良いのではないかと思う。

 

我が家も木々に囲まれた環境にありますが、

植物を失ったら、いかに貧弱な空間になるかと思うんです。

考えさせられました。

 



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