植物

港南区の住宅。

お施主様とともに、植栽の選定に伺いました。

あらかじめ樹種を定め、きたむら園さんに複数の畑をご案内いただきました。

中庭にはハイノキの高木(3.5m)を計画していましたが、

希少な樹種であり、該当する樹木を見つけるまでに少し時間を要しました。

「古木ではありますが、一本ございます。」とご案内をいただき、

現地へ向かうと、穏やかな枝ぶりの美しいハイノキがありました。

根の状態も良く、丁寧に育てられてきたことが伺えました。

ハイノキは、春先にギンバイカの様な白い小花を咲かせ、

夏から秋には黒紫色の実をつけます。

灰色の幹と、淡い葉色の対比が印象的で、

静かな佇まいが中庭に適していました。

葉の密度は控えめでしたが、

一階に光を落とすにはほどよく、

樹形の伸びやかさもこの住宅にあっていました。

ハイノキの確認を終えた後、

下草などを眺めながら次の畑へ。

次に、サルスベリの選定です。

開花の時期に合わせて、花色と樹形のバランスを確認しました。

落葉樹のため、葉を落とした冬の姿も意識しながら選定しています。


最終的に、目隠しとなる高木・中木を中心に外構全体の骨格を整えることができました。

後日、花壇を造作し、

下草や季節の花々を迎え入れました。

住まいの内と外をつなぐ柔らかな風景が生まれています。

時間とともに、庭が育っていくのも楽しみにしています。