庭づくり

自宅は、緑に囲まれた斜面の多い環境にあります。
安全面を考慮し、庭づくりの始まりに、地盤(土中環境)の改良を行うことにしました。

お声がけをしたのは、島田史枝さんが主宰するアトリエたねさん。
神奈川・東京を中心に、
庭の設計から、現場施工、植栽のメンテナンスなどを手がけていらっしゃいます。
ホームページを拝見したのは、一年前。
『地域に自生する樹木や草花を取り入れた庭づくり』をなさっているということで、
なんだかとても気になる存在でした。
その後、北鎌倉の土地とのご縁をいただき、
”なんだか気になる”という直感に従ってお声をかけさせていただくことに。
どんな方かも知らずにご相談しましたが、
結果として、とても嬉しい出会いとなりました。
島田さんは、矢野智徳さんの講習にも参加されていて、
土壌改良に関する深い知識をお持ちの方。
植物の趣味が合うだけでなく、
土地への理解や姿勢にも共感できました。

お願いしたのは、
・長期的な庭づくりの方向性の整理
・落ち着いた緑の中に、季節の花が少しだけ咲くさりげない庭
・自分でも管理できるような作業の指導(雑草や剪定の扱い)
・既存樹木(梅・桜・竹等)の健康診断
・災害対策を兼ねた土中環境の改善
多岐にわたる要望でしたが、島田さんは穏やかに受け止め、
的確に応えてくださいました。
施工はご主人とお二人で。
ご主人は、『緑生環 技術士事務所』という屋号で活動されていて、
樹木の剪定にも長けていらっしゃいます。

まずは、建物や擁壁際、崖下などに縦穴を掘り、

内部は竹を挿し、空気と水の通り道をつくります。
その周辺に、くん炭や枝葉を詰め、上から樹皮チップでマルチング。
縦穴同士は、浅い横溝でつなぎ、土地全体に穏やかな水と空気の流れをつくっていきます。

また、改良で出た残土は丘状に盛り、
乾燥枝で土留めを。
植物の根元の水捌けが良くなるだけでなく、
枝が朽ちる頃には根が絡み、自然な形での生きた土留めになるそうです。
植物を植えたい気持ちをぐっとこらえ、
まずは、足元の環境を整えるところから。
様々なテクニックを間近で拝見し、
土地に対する責任感が静かに芽生えてきました。