中野区の住宅着工

東京都中野区で、ご夫婦お二人の暮らす住宅が着工いたしました。

間口4.65m*奥行18.3mの細長い敷地。

 

南側には高さのある隣家が迫り、敷地に大きな影を落としていました。

都市部では、密集地や狭小地、変形地も珍しくありません。

相当の工夫を施さなければ住環境として機能しない場合も多く、

デザイン力、難条件を解決する力が求められます。

こちらが中野区の住宅のファサードです。

北側の斜線制限が厳しいため、

自然と片流れの屋根形状が導かれました。

 

奥行の深い住宅ですが、

玄関ドアを開けた先に自然光を感じられたら。。というイメージは計画当初から持っていました。

しっとりと仄暗いピロティ・玄関・廊下を進んだ先に、

微光を感じられる様に、階段は建物中央付近に設けました。

奥行のある住宅の奥に階段。

これは一見、廊下が長く、スペースの無駄使いをしている様に見えるかもしれませんが、

暗く空気が淀みやすい1階に、2階のインナーテラスから光と風を取り込むための工夫。

敷地条件を読みとった結果でした。

部屋に向かうにつれて、徐々に明るさのボリュームが大きくなっていく。

その柔らかいグラデーションがとても美しいと思う、そんな感覚もS様と共有してきました。

端正でシンプルなプロポーションですが、

実は、この形状が導かれるまでに、

何度も何度も模型を製作して、検証。

建物の背を高くして、ハイサイドを設ける案を検討したり、

トップライト の配置を検証したり。

クライアントのS様も、3Dプリンターを使いコンセプト模型を製作してくださるなど、

積極的に関わっていただき、

これまでのプロセスも、とても楽しい時間でした。

濃密な設計期間を経て、いよいよ着工です。

地盤改良杭が打たれ、

根切が始まっています。

これから、定期的に現場報告をしていきたいと思います。



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