名前を持たない部屋

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季節は夏から秋へ。

現場前の変化美しい木々に秋を感じながら、

今日も現場は着実に

丁寧に施工が進められています。

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土地の起伏を活かして、1階には2つの床高さを与えました。

掘削をして敷地をフラットにするのにもコストがかかります。

無駄な掘削はしません。

その代わりに、段差をゆっくりと楽しめる様に丁寧に階段をしつらえました。

階段3段分降りたその先には、「名前を持たない部屋」を配置。

「様々な可能性を秘めたオルタナティブなスペースが欲しい。」

とのM様からのご要望を受け、

余白たっぷりに、自由度の高い空間を設計しました。

 

自由な場所=何も作り込まなくて良い場所ではありません。

将来を見越して、様々な可能性をご夫婦で話し合われ、

予めその変化を受け入れられる器をつくる。

簡単なことではありませんでしたが、

このご要望から、M様の住まいをつくり放しにしないという

覚悟、変化させながら暮らしを楽しみ続けるという愛情深さを垣間見れた気がして、とても嬉しく思いました。

 

家も歳をとります。

太ったり痩せたりもします。

M様と一緒に美しく歳を重ねられる家になる様に、この部屋に限らず、

色々と将来を予測しながら設計施工をすることはとても大切なことだと感じます。

 

将来の可変性を受け止められる「余白」がある。

その余白が、直接暮らしの「余裕」に繋がる様な

目先の装飾や完成度(何でも初めからつくり込むこと)ばかりに気を囚われない

器の大きい設計を心がけたいものです。

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この部屋の天井は、2階床下地の合板表しとしました。

合板の印字をプレーナーで綺麗に削っていただき、

さらさらとしたとても綺麗な仕上がり。

天井を塞ぐ時が来るまで、構造の経年変化もお楽しみいただけます。

木の天井。落ち着きます。

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2階では、フローリングの施工がはじまりました。

柔らかな陽の光がリビングに差し込んでいます。

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テラスの掃き出し窓は、ノンレール仕様。

防水の色は、敢えて白のセレクト。

汚れはご承知の上での採用です。

将来デッキを敷くまでのお楽しみ。

お楽しみが他にも沢山散りばめられています。

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各種、逃げの板金施工が完了。

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細かな要望に答えていただき感謝です。

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キッチンからテラスをのぞむ。

壁が白くなると室内に光が拡散されて美しい空気感を生み出すことが想像されます。

テラスからの間接光は、直射とはまた違った趣。

柔らかく安定している。

 

あ、硝子に監督が・・!笑

いつも長時間ありがとうございます。



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